楠本 瑛大
「これ何。またこんな物買ってきて。無駄遣いするんやったら、お小遣いあげへんで。」
私が、お菓子やジュースなどを買って帰った時の母の決まり文句です。母は、姉が参考書を買うと言えばすぐにお金を出す割に、私がこれを買いたいと言ってもなかなか出してもくれません。また、父の小遣いでさえも容赦なく減らしています。そんな母のことを父は「財務省」と呼んでいます。
自分の家の家計の大部分は父の収入であり、それを財務省である母が管理しています。母は、父の収入の範囲内で家計をやり繰りし、だいたいの計画を立て、その使い道を父に相談しています。そうすることによって、父は稼いだお金を安心して母に預けることができているようです。
税金も同じ仕組みだと思います。父が母に稼いだお金を預けているように、国民は政府に稼いだお金を預けています。また、母が父の収入の範囲内で使い道を考え、父に相談しているように、財務省が歳入の範囲内で予算を編成し、国会で承認を得ています。
では、父が安心して母にお金を預けているように、国民は安心して税金を納めているのでしょうか。
答えは、そうではないと思います。特に若い世代の大人は、自分が納めている税金がどのように使われているのか関心が低いように思います。選挙の投票率が低く、若い世代の政治離れが進んでいると言われています。
しかし、政府が、今の私と同じように、貰ったお金を好き放題に使うようになってしまえば、国民の意図とは関係なく政治が行われ、最悪、日本はどこかの国と戦争するようになってしまうかも知れません。
そうならないためにも、私たち納税者は、自分たちが納めた税金の使い道について関心を持ち、そして、安心して税金を納めることができるように、政治に参加することが大切だと思います。
私も、やがては就職して、立派な納税者になっていると思います。その時には、母がお小遣いの使い道に口を出しているように、父が母の家計のやり繰りに関心を持つように、私も政府の税金の使い道に関心を持ち、そして、選挙に行くなど、少しでも政治に参加して、気持ちよく安心して税金を納めることができるようになりたいと思います。
お小遣いで参考書を買って、学校でよい成績を取る以外の方法はないか、考えたいと思います。