和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
教育格差について
慶風高等学校 3年
西口 英里

私は中学生の時、SDGsについて調べる機会があった。SDGsとは、2030年までに達成するために掲げた、持続可能な開発目標のことである。私は17ある項目の中から4番目の、「質の高い教育をみんなに」について詳しく調べてみたことがある。世界で初等教育を受けられない子どもは、約6千万人にも及ぶそうだ。特に開発途上国に多く、識字率も先進国に比べて低いという現状がある。

私は以前、アフリカに住む子供たちの一日の生活を映したテレビ番組を見たことがある。そのテレビ番組から、主に二つの問題点があると私は感じた。一つ目は、貧困問題だ。開発途上国の人々は先進国に比べて年収が少ない。そのため、教育費が払えない以前に、子どもも働かなければ生活もままならないのだ。二つ目は、教育の男女格差だ。昔に比べ、男女格差は少なくなっているそうだが、依然として約3千2百万人の女の子が小学校に通えていない現状がある。

それに比べて日本はどうだろうか。令和4年度「国の一般会計歳出額内訳」によると、文教及び科学振興費が5兆3901億円確保されているそうだ。思い返せば、新品の教科書が全員に無料配付されていたりと、質の高い教育をみんなに受けてもらうために税金が有効的に使われていた。テレビ番組で見た学校に通うことができている子どもたちは、ぼろぼろの教科書を嬉しそうに、大切に使っていた。そして、学校に通えない子どもたちが共通して言っていた言葉を、私は鮮明に覚えている。「私は学校に行きたくても行くことができないんだ。」その言葉を聞いて、授業が早く終わらないかと毎日思っている私は、自分自身が恥ずかしくなった。私にとって学校に通うことは、当たり前の習慣になっている。しかし、その当たり前は、他の誰かにとっては当たり前ではない。そう思うと、税金の有難さを実感した。


「質の高い教育をみんなに」日本は、教育のために多くの税金が使われているからこそこのことがほぼ実現できているのではないかと私は思う。世界中の子どもたちが、満足のできる教育が受けられる社会が訪れることを、私は願う。

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