和歌山県租税教育推進連絡協議会

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公益社団法人納税協会連合会会長賞
プラスな気持ちで納める税
和歌山県立日高高等学校 1年
川口 智也

「税金」と言われるとマイナスのイメージを感じる人が多い。自分も考え方を変える前はそういうイメージがどうしても強かった。しかし、見方を変えると自分たちは医療、教育、公共施設や道路など様々な面で税金によって支えられている部分も本当に大きい。

最近、税金のありがたさについて改めて感じさせられる出来事があった。それは、家族の1人が新型コロナウイルスにかかってしまったことだ。そのときに保健所の人が、電話で過ごし方や自宅療養期間などの説明や濃厚接触者となった自分を含めた残りの家族の健康チェックまで行ってくださった。また、自分たちもPCR検査を受けることができた。それだけでなく、その期間は食料などを買いに外に行けないため、県からたくさんの食料や消毒液、トイレットペーパーなどの生活必需品が送られてきた。それが届いたときは本当に驚いたとともにここまでやってもらっていることに対して感謝とありがたさを身に染みて感じた。そのおかげで、他に出られない期間も特に不自由なく過ごすことができ、何より安心して生活を送ることができた。今回の保健所や県からのサポートに対し自分たちは直接お金を払った訳ではない。費用はすべて税金によって賄われている。誰でもかかってしまう可能性がある感染症に対してこのような手厚い支援をしてもらえるのは本当にありがたいことだ。これは税金があるからこそ成り立っているのであり、当たり前のことではない。もし税金がなければ、検査や療養中にかかるたくさんの費用を自己負担しなければいけない。そうなると、中にはその負担が重く療養をしない人やできない人が出てくるかもしれない。すると、今よりもさらに感染者の増加や、重傷化で命を落としてしまう人も出てきてしまうであろう。つまり、税金が自分たちの健康、命を守っていると言っても過言ではない。

今回は、新型コロナウイルス感染症に焦点を当てて考えているが税金が自分たちの暮らし、命、生活や人生を守っている例は他にもたくさんある。教育面では、税金による授業料の負担や小中学校での教科書の無償配布など自分たちの未来を創る手助けをしてもらっている。社会保障の面では医療、年金、生活保護などあらゆる人が楽しく健康に過ごすために税金が使われている。

このように、自分たちの暮らしは税金がなければ成り立たないほど深くかかわっているものである。納税に対しマイナスのイメージを持つのではなく、自分や誰かの大切なものを守る、未来を創る手助けをするといったプラスのイメージで一人一人が納めていかなくてはならない。現在自分が納めているのは消費税ぐらいであり、支えられている立場である。しかし、もう少しで働き、納税して支える立場となる。プラスの気持ちを忘れず、しっかり納税できる大人になっていきたい。

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