嶋本 葉月
私はこの春に、高校生として初めての桜を見ました。そして、高校入学をきっかけに、高校用の参考書を受け取りました。お金を渡して、物を受け取る、ごく普通のことです。しかし私は、中学生の時はお金を渡すことがなかったので、少し違和感を感じていました。そして、「高校は義務教育ではないから、有償なのだ」ということに気づきました。
他にも、病院へ行って診察をしてもらう際にお金がかかるようになりました。こうなって私は、参考書等はもっと大切に使い、自分の健康も自分で管理していこうと思えるようになりました。そして、それと同時に、私はとても税金に助けられていたのだということに気づきました。
今、ウイルスの影響によって、多くの人が苦しんでいるという事を、よくテレビや記事で目にします。そして、ここでも税のありがたさを感じました。例えば、ワクチン代です。ワクチンは、どこかへ行って、何かをするために、無くてはならないものだと思います。東京オリンピックの選手や、感染者に直接携わる医療従事者の方たちの足枷を取り払い、未来を作るためのきっかけとなるもの、それがワクチンだと思います。そのようなワクチンは、今公費、つまり税金によって無償で提供されています。改めて考えると、これは本当にありがたいことだと感じます。
また、もっと深い根の部分から考えてみると、この「税金」というものは、本当に数えきれない人の生活、もしかすると命までをも救っていることになると思います。
そう強く思えたのは、アフリカの児童労働について学んだときでした。彼らは池等で水をくんでくるので、もちろん無料です。しかしその水の衛生状態は保障されておらず、場合によっては子供が幼くして亡くなってしまうこともあります。しかし、私達日本の子供はそうではありません。彼らとは違い、私は池に水をくみにいくことも、水の衛生状態を恐れることはありません。加えて私はその水に対する安心を、無料で受け取っています。
このように、私達が普段当たり前のように享受している安心や安全は、色々な場面で税が支えてくれているということです。今、会社が倒産してしまったり、失業したり、生活費で頭を悩ませる学生も多いとよくニュースで見ます。それに加えて、「税金」がもし存在していなかったとしたら、今の状況が更に苦しくなるのではないかと思います。ゴミが回収されて衛生状態が良いこと、公費負担で受けられる治療が支えてくれる私達の健康、これらは皆税金によって作られている現状です。
今、世の中も経済もとても疲弊していると感じます。そんな今を支え、繋ぎ止めてくれている税金を、もっとたくさん知って、伝えていきたいと思います。