佐々木菜那
100円のものを買うのになんで10円もかかるの?また増税するの?これらは実際に私が聞いた言葉だ。私はこういう声を聞くたびに国民はかなり税金が上がることに不満があるのだろうかと感じる。しかし私は、もっと税金を増やすべきだと思ってる。
私は今回、日本だけでなく世界各国での税金について考えた。特に世界の幸福度ランキング上位国と社会福祉の充実した国についてだ。この2つを満たす、フィンランド、デンマークは、社会福祉が手厚い国として有名だろう。
フィンランドでは約25パーセントの税率がかかるが、小学校から大学までの教育費が無料であり、社会福祉や保険サービスが無料、またはかなり低くなっている。つまり国民の税負担が大きいが、福祉、サービスが充実した国ということだ。私はこの制度を知って、これには大きなメリットがあると感じた。私は高校1年生だが行きたい大学について考える機会が多くある。その時に思うのはどの大学にも行けるわけではないということだ。行きたい学科があったとしても、私立であることや下宿費用などで目指すのかにためらいが出てくる。もちろん日本にも奨学金制度といった支援はある。それでも選択肢は限られるだろう。特に兄弟が多い家庭や、一人親家庭では大学に行くことも苦しいかもしれない。そんな学生を減らしていくためには国全体でこの教育問題について変えていくことが大切だと思う。それを可能にしたのが高福祉を掲げるフィンランド含めた北欧諸国だ。
次に注目したいのが、デンマークの医療制度だ。デンマークも税率25パーセントという高い税率となっていて、医療費は原則無料であり、すべて税金で賄われている。
そして、デンマークには「家庭医」と「病院」があり、体調が悪い時や怪我をした時は最初に家庭医にかかる。その家庭医の診断結果に基づき病院に送るかを判断するのだ。そのうえ家庭医の費用は自己負担額があるが、病院の費用はほとんどが無料だ。このことから重症患者はスムーズに治療を受けられ、手厚い保障があることがわかる。
また、こういったことは日本でも問題視されているコンビニ受診や待ち時間の問題の解決の糸口になると感じた。
しかし、やはりこういった制度が充実しているのは、税金のしくみが目的のもとしっかりと機能しているからだろう。もちろん闇雲に税率を上げればいいということではない。今回参考に挙げた北欧の国々も、税制度について少子高齢化や福祉の公平さでの問題がある。
それでも私たち国民が、税制度の目指すべき目的をしっかりと考え、認識することで、それぞれが考える、未来の税金のあるべき姿が見えてくるのではないだろうか。