和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
未来を創る貯金箱
和歌山県立田辺高等学校 1年
岡本 礼央

「はあ。」自分はいつも同じ場所で同じ時間帯に無意識にため息をついてしまう。高校生になった自分は中学校の時とは違う長い道のりをたどって学校へ行く事になった。しかしその途中、必ずと言ってもいいくらい工事中の道路があり車も混んで渋滞に巻き込まれて時間をロスしてしまう事が多々あった。自分は工事中の道路と対面するたびにうんざりしてしまい、毎朝の登校が憂鬱に感じてしまうようになった。

そんなある時、学校の政治経済の時間に税金についての調べ学習があった。税金の事を詳しく理解していなかった自分は、消費税・所得税以外にも沢山の税があることを知れた。でも、そんな中、自分の目に飛びついて来たあるサイトの1つの項目があった。それは税金の使い道についての項目だった。今我々国民が納めている税は、生活を支える為の社会保障や公共事業、地方交付税交付金などに使われている。また道路の整備や工事、学校等の公共事業は「未来のための税」とも呼ばれるらしい。自分はこれを知った時、心の中で何かがよぎった。毎朝対面している道路の工事は自分達の納めている税から成り立ち、これからの未来を創っているというのに、あの時不満を抱いていた自分がすごく惨めで情けなく思うようになった。それにもし工事が行われていなかったら毎朝の登校時の安全は保障されないし、当たり前だが交通事故も多発するだろう。

そしてこの事をきっかけに税に対する自分の考えも変化した。前では一方的に自分達から搾取される物というイメージが強かったが、実はそうでは無い。私達が普段の生活で気づいていないだけであり、周りを見渡すと図書館や道路整備、安全な治安等様々な物が税金によって私達の生活に返って来る。まさしく税金とは私達で貯めていき、道路や学校等必要な時に使われる未来への貯金箱だと自分は感じた。もし税金が無ければ、これらの存在に何億という数えきれないくらいの多額の金額が必要となるだろう。

今後の日本ではますます少子高齢化が加速し、国民一人あたりの税の負担も増幅することが見込まれている。その時、きっと中には税に対する不満を抱く人も出てき始めると思う。でも税が私達の今の生活を支え、そしてこれからの社会も作り出す未来への貯金箱だと言う事を決して忘れてはならない。税を納めるだけで誰もが未来の社会を作る貢献者になれる。素晴らしいことではないだろうか。これから先、自分は税金が未来の為に使われているのかをしっかりと見極めて、税に対する積極的な態度をとっていきたい。そして明るい未来である為にしっかりと貯金箱に税を貯めていきたい。自分が未来の社会を創る一員という自覚を持って。

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