和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
現代人の意義
和歌山県立海南高等学校 1年
橋爪 萌

「税」と聞いて、どんな事が頭に浮かぶだろうか。「消費税とか、他にも難しい名前の税が沢山あって、それらの税金で道路や公共施設を作り、私達が快適に生活する為の大切なもの!」

恥ずかしながらに、高校1年生の私の頭に浮かんだのはこれぐらいだ。そう、私は税に関して、無知に等しかったのである。そして、この時、私は強い危機感を覚えた。なぜなら、後、2年もしたら成人を迎えるというのに、社会の仕組みや徴税の仕組みについて、何も知らないまま社会に出るのは、とても怖かったからである。

そこで、税について自分なりに調べる事にした。情報手段はネットである。「税とは?」と検索すると、初めに出てきたのは、国税庁ホームページの「税の学習コーナー」である。そこには、身の回りの税や、国の財政などの税やお金に関する説明が丁寧に書かれてあった。消費税でいうと、「お店で商品を買う時に一緒に払うお金」という、大雑把な自分の解釈に付け加え、「広く公平に負担を求める税」と、初めて知ることが沢山あった。他にも、大人になった時に知っておくべき事なども沢山書かれていて、何も知らなかった私が隅々まで読んでしまうほどの、興味深い内容であった。今まで、ネットが生活の一部となっていたにも関わらず、こんなにも有意義な時間を過ごせる事を知らなかったのが、歯痒い気になったぐらいである。

ネットを通して、税について学び、社会で一人の人間が生きていく為には、一人の人間が税という形で「負担」を強いられる事は、必ずしも悪い事ではないと感じた。しかし、我々の思考を働かせねばならないのは、国民一人に強いられる「負担」が大きくなるのを防ぐことである。日本は少子高齢化や国債費などの様々な問題を抱えており、また、コロナ禍で先進国でありながら貧富の差というものが浮き彫りになった。世の中には、答えのない、解決すべき問題が沢山あるのだ。それらを解決する為には、政府の力だけでなく、国民の関心が不可欠である。私のように、初めは無知でも良い。だが、無知で居続けるのは非常に勿体ない。何しろ、知識は世の中の見方を変える素晴らしいものだから。それに今はネットという仕組みがある。勿論、正しい情報を取捨選択する必要があるが、誰でも簡単に繋がれる良さを利用して、税や日本社会について拡散し、意見を述べあうべきである。

未来の社会が暗いものか明るいものになるのかは他の誰でもなく、「今」を生きる私達次第である。だから、時代に合ったやり方で未来を明るいものにしていこうではないか。とても難しい課題であることは重々理解している。だが、それでも、考え続け、討論し、新しい道を未来に示さなければならない。

さあ、皆で一歩を踏み出す時が来た。

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