和歌山県租税教育推進連絡協議会

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公益社団法人納税協会連合会会長賞
税金のあり方とこれからの課題
和歌山県立海南高等学校 1年
森下 葵衣

私達の身の回りにはたくさんの物事が税金で賄われている。これは誰もが知っていることであろう。

例えば、私達高校生の教育費。備品を買うときや、校舎を建設したり、維持をするためのお金は全て税金から出ている。また、私の場合、親の所得の都合上、授業料が無償である。これも税金のお陰である。

また、私の家の近くに「海南ノビノス」がある。高校からも近いので、海高生はよく勉強するために利用する。この公共施設も税金によって建てられた。この施設を建設するために使われた税金は、かなりの巨額だったのだろう。

そして、最近では新型コロナウイルス感染症の対策もある。飲食店等への給付金や、ワクチン、病床の確保にも税金が使われている。昨年の一律10万円の給付金や、ガーゼマスクの配付等、税金について考えることが多くなったと思う。

それと同時に、国の借金である「公債」について考える事も増えたと思う。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、失業者が増え、賃金が減少した人が多くなっている。よって税収は減っているはずなのに、どうしてこんなにたくさんの対策を講ずることができるのだろうか。それは、対策と引き換えに借金を増やしているからである。令和3年度当初予算によると、国の一般会計歳入額のうち、借金である公債費は約40パーセントを占める。また、歳出額のうち、借金の返済金である国債費は、約22パーセントを占めている。また、この国債費は年々増加し、令和2年度末で約964兆円にのぼる。これは、約15年分の税収に匹敵するものである。

これからの日本の課題は、この巨額の借金をどう返済していくかという事である。日本はここ数10年財政赤字が続いている。私達が大人になったとき、どれだけ借金が膨れ上がっているかは分からないが、かなり増加しているだろう。私は、中学校の授業で「国債の発行は慎重に行わなければいけない」と習った。しかし、今はどうだろうか。あまり考えずに国債を発行しているように思う。発行する事自体は悪い事ではないだろうが、むやみやたらと発行された国債の後片づけは「将来の世代」がしなければならない。「今、この時」だけでなく、未来を見据えた上で国債を発行しなければいけない。だから、もう一度考えてほしい。「その借金、誰が返済するものですか?将来、その巨額な借金、どこから返していくのですか?」

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