和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
「日常」を守る税金
和歌山県立橋本高等学校 1年
中嶋 優良

「国または地方自治体に租税として納付する金銭。」と国語辞典には載っていました。この作文を書くにあたり、税金とは何か、根本的なことを知るために辞書を手に取りました。

高校生の中には、税を払うことに対して、「嫌だなぁ。」と思っている人は少なくないと思います。実際に、私もそのうちの一人だったからです。私は高校生ですので、税金の使い道はそれなりに知っているつもりでした。それでも、自ら進んで「税金が必要だ」とは正直言えませんでした。今回、災害時の税金に着目したため、私のその考え方は一変しました。

私は、災害時と税金の関わりを調べるために、インターネットを開きました。ある一つのサイトには、東日本大震災のときの救助活動や復旧、復興の様子の写真が載せられていました。レスキュー隊員が救助活動をしている写真にも興味を持ちましたが、私がより感銘を受けたのは、「教育の場」についてでした。そこには、宮城県仙台市蒲町小学校の移り変わりを示した写真が載っていました。校舎が全壊してしまったため、中学校の体育館で授業を受ける小学生の姿がそこにありました。それから三年後には仮設校舎に通う小学生の姿が、更に一年後には新校舎が完成した姿が、写真で示されていました。それら全ての背景に、税金の支援があることを忘れてはいけません。私たちが、当たり前としている「教育」は、本当は当たり前ではないのだと、調べていて思いました。このように「日常」と呼ばれるものが、ある時、ふと崩れてしまうと、私たちだけでは対応し切ることができません。そんなときに助けてくれるものが、税金なんだ、とこの一例を通して知ることができました。

「税金とは何ですか。」と誰かに尋ねられたなら、私は「日常を日常としてくれているものだと思います。」と答えようと考えました。「倒れている人がいれば救急車を」「困っているとき、身の危険を感じるのならば警察を」「ゴミを出せば回収してくれる」このような当たり前の事実は、税金によって成り立っているのです。私たちの身の回りの「当たり前」は、税金によって形成されている、と言っても過言ではないと思います。

「税金が必要かどうか」私は進んで「必要です」と答えることが、今ではできそうです。なぜなら、私たちの「日常」は、税金が形成し、もし「日常」でなくなったときも、元に戻そうと支援してくれるものだからです。

人が災害に備え、準備をするのと同じで、普段から「日常」を奪う何か、から私たちを守るために、税金を払っているのです。

これから、より税金の知識を多く持ち、新しい考え方を導きたいと思っています。そして、それを多くの人に伝え、意見を交流し合える場になることを祈っています。一例に過ぎませんが、税の考えを深める機会となりました。

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