和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
税金と未来を考える
和歌山県立日高高等学校 1年
出口 健太

今年は、新型コロナウィルスの影響で、その対策のために税金を使わざるを得ない状態になっていると思います。マスクの配布、十万円の給付金、医療体制を整えるための費用など、この新型コロナウィルスに対応するために、大きく税金も動いています。私も、このことについてはニュースで何度も耳にしていました。多くの店が休業を余儀なくされていて、その補償については全て負担する、などといった言葉も多く耳にしました。それらのニュースを見て、私は国の財政は大丈夫なのかと思うことも多々ありました。

実際、令和2年度の当初予算として、公債金は31パーセントの約32兆円であるのに対し、国債費は全体の22パーセントの23兆円です。なので、約10兆円分の税収が足りていないということになります。日本の国の財政は、歳出が税収を上回る状況である「財政赤字」が毎年続いています。だからと言って、歳出を減らしてしまうと、私たちの暮らしに支障をきたす恐れがあります。そうなってくると増税するのもやむを得ないという状況になってくると思います。

増税するとすれば、主に選択肢は二つです。一つ目が所得税の増税です。しかし、これはかえって私たちの首をしめることになると思います。日本は今、超高齢社会に突入しています。4人に1人が高齢者の中、その人たちを支える、働いている人にさらに所得税を要求するのは、少しリスクがあると思います。税金による年金をもらって生活している高齢の方には、所得税は関係ないため、全国民で負担するという点で、所得税の増税は、日本の現状にはあまり適していないと考えます。

では、二つ目の選択として消費税の増税があります。昨年10パーセントへと引き上げられましたが、私は増税するのなら、消費税の方が適していると考えます。なぜなら、全国民が負担することになるため、今の社会にはもっとも合理的だと思うからです。もちろん、逆進性という問題があるので増税しすぎるというのも少し難しい部分があると思います。

今の私たちには、まず「税」についてしっかり理解を深めておくことが大切だと思います。何も知らない状態から、増税などの税に対する提言に反対していると、返って自分たちの首をしめて、将来の暮らしに影響を与えるかもしれません。なので、まずは理解を深めて、将来をより良くするためにはどうすることが最適か、客観的な視点から考えることが大切だと思います。

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