和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税を知る
近畿大学附属新宮高等学校 1年
脊古 咲夢

税を納める。それは国民の義務である。しかし「納税」に良いイメージを持つ人はいるのだろうか。少なくとも、私は税の事を詳しく知るまで良いイメージを持つことができなかった。私は和歌山県にある小さな町、太地町に住んでいる。この町では、小・中学生の教材費・給食費や高校生までの医療費が無料だ。私は最初なぜお金を払わなくてもいいのか分からなかった。

中学3年生の夏、私が住んでいる町太地町は、毎年姉妹都市であるオーストラリアのブルームというところに、中学3年生の6人くらいがホームステイをしながら、太地とブルームの歴史を学んだり、ブルームの学校を訪問したりしている。そして私は、そのブルームに行くことができた。普通、オーストラリアに一週間行くとなると最低10万円以上が必要である。しかし、私達は5万円で約10日間行くことができた。しかし、私はその事をあまり深く考えず日本を出発した。

オーストラリアはとても楽しく、10日間でたくさんの事を経験した。毎年4月頃に、今度はブルームの学生達が太地を訪問することになっていた。だから私はホームステイ先の高校生の女の子に「4月になったら太地に来てね」と言った。するとその女の子が「行けるかは分からない。行くとなると費用は全て自分達で出さなければならない。」と言った。その時私は驚いた。私はお金の事はあまり考えていなかった。しかし、その子の言葉で私は5万円でオーストラリアに行けて、こんなすばらしい経験ができた事は当たり前じゃなかったんだと思った。

そして、日本に帰ってきて聞いてみると、私達が5万円でオーストラリアに行けた理由は税金だった。皆が町に納めた税金で私達はたくさんの事を学び経験する事ができた。その事だけじゃない。小・中学生の教材費や給食費・高校生までの医療費などが税金で支払われている事を知った。「税金なんかまだ、私には関係ない。」「税金なんていらないんじゃないか。」と思っていた。しかし、全然そんなことはなかった。もし、税金がなかったら町は汚れ、道路も整備されず、救急車や警察を呼ぶのにお金がかかっていたかもしれない。私達は、生まれてからずっと税金に助けられていたのだ。

私はこの事を知ってから、税金に対する考え方が大きく変わり、「税金はなくてはならない大切なもの。税金のおかげで助けられていることがたくさんある。だから税金に感謝しなければならない。」という考え方になった。しかし、最初の私のように税金に対してマイナスなイメージを持っている人もたくさんいるだろう。だから私はまず、国民全員が税について正しく知ることが大切だと思う。知ることで、税金を良いイメージで捉える人が増えると私が思っている。

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