和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
多様な形の税
和歌山県立田辺高等学校 1年
家門 美紅

「ガタガタガタガタ。」
自動車で登校していた私が赤信号を待っていた時のことだ。聞き慣れない音に違和感を覚えた私は音のする方向を見た。目に映ったのは3台のの50トン積みの大きくて長いトレーラー。目の前を走ったトレーラーの後ろを見ると、1個当たり20トンの消波ブロックが2個積まれていた。
「何のために運んでいるのだろう。」毎朝運んでいるのを見て私はそう思っていた。

ある日、家のポストに回覧板が入っていた。その中に消波ブロックについての紙があった。私が住んでいる地域の港で消波ブロックを作り、それを別の地域の海に沈めて、今後30年以内に来ると言われている南海トラフに備えるという内容だった。さらに読み進めると事業費は県と国が負担するとのことだった。つまり、税金で補われるのだ。普段納めている税金がこのような形で私たちの暮らしの安全を支えてくれているのだと思うと感動する。

最近、税金を「払わなければいけない」と考えている人がいるというのをニュースで見た。私はその理由として、何のために使われているのかを正確に把握していないからと考える。納めた税金が消波ブロックという形に変わって、将来南海トラフが来た時にその消波ブロックが波をできるだけ抑えて少しでも多くの命を救うことができる事を知ればその考え方はなくなると思う。納税が自分だけでなく、多くの人を支える事になる。だから、税金は「暮らしのために使おう」という認識に変わると思う。

実際に、私も「何のために消波ブロックを運んでいるのだろう」と思っていた。しかし、説明を見て税金が暮らしの安全をもたらしている事を知ったので、納税をすることは大切だと改めて気づかされた。

また、高校生になって気づいたことがある。それは、中学生まで税金によって教科書が支給されていたことだ。もし、税金の制度がなかったら、その教科書の制度はなく、かなりの負担になるのではないかと考えた。

それに加え、最近世界中で問題となっている新型コロナウイルス。これによって国民の生活が一変した。感染予防のために家で待機する日々。国の経済が悪化し、国民の収入が減ることになった。しかし、それを支えてくれたのが税だ。いざとなった時に普段納めている税でお互いを助け合える事ができた。改めて税の大切さに気づかされた人が私も含めたくさんいると思う。

このように、国民の生活を支えている税。暮らしの安全や予想だにしていなかった出来事にも即座に対応できる税。数年後、私も税を納める立場になる。その時、お互いを支え合う心を忘れず、日本や世界をも支えられるようにするのが私たちの責務であると思う。

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