和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
命を守ってくれる税
学校法人大阪初芝学園初芝橋本高等学校 1年
竹下 知歩

今年の夏、私の住む岩出市に新しい市民プールができました。そのプールは水を貯蓄する事ができ、災害時には、市民の飲料水、生活用水として供給できるそうです。プールを利用しなくても市民にとってはならないプールと知り、私はとても嬉しくなりました。

また、岩出市にはコミュニティバスが巡回していて六十五才以上の高齢者は無料だそうです。高齢者のコミュニティバスの利用が増えれば、運転事故による悲しいニュースを見る事も少しはなくなるのではないか、と思いました。プールもコミュニティバスも市税が使われています。

私はまだ納税していませんが、税について考え、学び学習する中で、一番大切な事は、税金がどう使われるか、という事だと思います。そしてやはりその中で、人の命が守られる事が、一番価値のある使われ方だと感じています。

水を貯留する事ができるプールや、高齢者や市民の利用できやすいバスも、人の命を守れる、大切ななくてはならないものだと、私は感じました。

今年の夏、にぎやかに楽しそうな声のするプールや、その近くを巡回バスが通っているのを何度か見かけて、自然に笑顔になっている私がいました。

私はこの春から高校生になり、今まで市税が負担してくれていた医療費は、一割から三割負担になりました。祖母は後期高齢者なので、負担額は私より少ないそうです。祖母との会話の中で私は「いいなぁおばあちゃんは、病院へ行っても安く済むから。」と言ってしまい、その時祖母は、少し悲しそうな顔をして「病院には、行きたくないし、薬もいらんのよ。」と言っていました。確かに祖母は、昔は風邪を引いても、病院には行かず、しょうが湯を飲んだり、ねぎの湿布をしたり、怪我をしたら、アロエや砂糖水を塗ったりしていました。

今祖母は、通院にも母と一緒に行き、薬の管理も母がしています。きっと祖母が、病院に行きたくない、薬もいらないと言ったのは、通院費や薬代がかかるからではなく、昔は、税金に頼らずとも自然にできた事が、今はできなくなってしまった事が、残念に思ったからだと私は感じました。そしてそれは、税金を無駄使いするなと教えてくれた様な気がします。

税金についてのニュースは、テレビ、新聞で毎日の様に取りあげているけれど、大きなニュース、嬉しい事、悲しい事に比べて、どれだけ人々は感心を持っているだろうか?私もきっと同じで、偉そうな事は言えないけれど、税金を無駄使いをせず、税に感心を持つ人でありたいと思っています。

なぜなら、人の命を守ろうとしてくれているのは、税なのだから。

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