和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
当たり前が幸せだった
和歌山市立和歌山高等学校 1年
山本 沙季

税金といえば、今年の十月一日より消費税率が十パーセントに引き上げられると同時に「軽減税率制度」が始まる。私はそのことをニュースで知ったのを覚えている。その時は家族も私もショックを受けた。でも、考えてみればショックを受けておきながら、税金について知ろうとも、納得しようともせずにいた自分が恥ずかしい。そこで、税金について調べた。

そもそも、なぜ増税されるのは消費税なのか。なぜ増税されるのか。それは、所得税や法人税の引き上げを行うと現役世代に負担が集中してしまうため、国民全員で平等に負担する消費税が適切だと考えられるからだ。増税の理由は社会保障の財源確保のためだ。今、日本は「少子・高齢化」という大きな課題を抱えており税金にも大きく関係している。高齢者が増えると医療や年金、介護に必要なお金が増えるので税金がより必要となる。だが、少子化も進んでいるため二〇〇〇年では二十から六十四歳の人、三・六人で六十五歳以上の人、一人を支えられていたが、二〇五〇年では一・三人で一人を支えることになると予想されている。この先、支えきれなくなる可能性も大いにあると思わさせられた。

税金は警察や消防、道路や水道の整備、年金や医療、福祉、教育など私たちの暮らしのために使われている。他にも、防衛関係費や経済協力費、国債費、地方交付税交付金などにも使われているが、私が一番気になったのが国債費だ。歳出の中で大きな割合を占めている。単純に考えれば、国の借金を返済するのに日本政府はお金を刷って使えばいいのではないかと思ってしまう。だが、それをしてしまうと世の中に出まわるお金の流通量が多くなり、貨幣価値が暴落する極端なインフレーションを引き起こし経済活動に混乱をもたらしてしまう。でも、このままでは国の借金は減るどころか増えていってしまうのではないかと思った。

増税を喜ぶ人はいないだろう。今回の増税に賛成の人もいれば、反対の人もたくさんいると思う。でも、私のように理解もしようとせずに不満をもつのは良くない。買う物や買う人によって、2パーセント上がることで苦しむ人もいると思う。少子・高齢化や国債などの大きな課題もある。でも、税金が私たちの暮らしを支えてくれているのは確かだ。もし税金がなかったら、そんな事を考える瞬間は滅多にないだろう。本当に税金がなかったら、交番や救急車などが有料になり、犯罪や事故が増える、助かるはずの人が助からない、教育を受けられないなど大変じゃすまされない事ばかり起こるはずだ。当たり前のように過ごしている今の生活が、どれだけ幸せな事なのかを知った。

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