和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
助け合いの手
和歌山県立橋本高等学校 1年
池内 楓

災害時に、「税金」は何か私たちのために働きかけてくれているのだろうか、私が成人するまでに起こると言われている南海トラフ地震では、和歌山県の死者想定数は八万人と言われている。時々テレビで想定被害を見ることがあるのだが、いつも見ていられないくらい大きな被害なので、心の中で地震に対する怖さが増していく。そんな時、「税金」が大きな支えをしてくれることが分かった。

二〇一一年3月11日14時46分48秒、マグニチュード九・〇の大地震が発生した。死者行方不明者は約三万人で多くの人が不自由な生活を強いられてしまっていた。そんな時、CMで「復興特別税」という言葉を目にした。何のことだろう、と思い調べてみると「大震災からの復興のために必要な財源を確保するのを目的に課されることとなった日本の税金」だということが分かった。実際テレビでは、被災者が少しでも快適な生活を送れるように温かいごはんを配給したり、がれきを取り除いて少しでも多くの人を助けようと多くの救援が駆けつけていた。また、三月は寒さが残っていたため、低体温になってしまうのを防ぐために毛布や布団の配給も行われていた。このような様子を見て「いざとなった時の国の力は大きいな」と感じた。税金というシステムがあるおかげで、困った時には支え合っていくことができる。被災者を助けたご飯、毛布、飲み物、仮設住宅。これらは税金で賄われている。もし、税金が無いならば、私たちは自分の利益になることしか考えなくなってしまう。簡単には助け合えず、不便で辛い生活を送らないといけない。税金があるからこそ助け合いの精神を持つことができ、また困った時には税金=国民の支えを受けることができる。だから、私は「税金」は生きていく上で不可欠なものだと思った。

このようにして「災害と税金」との関わりについて考えていると、小学六年生の時の学校行事で体験した「防災キャンプ」を思い出した。学校の倉庫に入っていた水や毛布、アルファ化米は全て税金で賄われているものだと分かった。どれだけ質素で物足りないものだとしても、私たちが災害時に最低限度の生活を失ってしまわないように、助け合いの手を差しのべてくれている。

私は、できれば大好きな地元橋本市で高校を卒業し、笑顔で成人したい。でも、自然災害がある限り、望みは叶わないかもしれない。実際、東日本大震災では母校で卒業できなかった子供達もたくさんいる。そうだとしても「税金」が私たちの大きな支えになってくれることが分かり、強い見方を持った気がした。だから、これからは日本中の困っている人を支えるために「税金」という存在に対する見方を変えていきたいと思った。必要な税金はしっかり納め、責任感のある人になりたい。

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