和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
気づきで繋ぐ助けの輪
和歌山県立田辺高等学校 1年
山本 美月

気づいた。そう。例えば道路で死んでいる動物がいつの間にかなくなっていて、掃除された所を見たとき。私の住んでいる地域にある大きい神社が世界遺産登録をされたとき。蛇口をひねると、安心安全でおいしい水がいつでも出てくることに初めて感謝したとき。最近、外国の観光客の方々が増え、商店街に活気がでてきたな。と感じたとき。台風が来て、大きな土砂くずれが起こり、道がふさがれてしまったのをすぐに道を整備したり、くずれた傾斜を整えたりするところを見たとき。

先程から例として挙げている、私が遭遇した“とき”には必ずある人達が関わっている。その地域の人々の暮らしに役立つことすべてを仕事としている、地方公務員の皆様方だ。教育や福祉、公共施設の整備、管理に、観光、治安などの幅広い業務を私達のために行い、私達から集めた税金から給金をもらう。そうやって税金が私達を繋ぐ輪となっている。

人と人とを繋ぐ輪となる税金は、いろんなことに使われている。大阪北部地震や北海道胆振東部地震、熊本県の大雨による被害、東日本大震災など、被災された方々、街などの復興支援のために使われたり、私達が住むこの地域に近いうちに必ずくると言われている南海トラフ大地震にも税金が使われているのだ。私達が納めた税金が、被災された方々をサポートすることになり、そこから立ち直った方々が税金を納めて、税金で繋がっている見知らぬ人や自分のために税金が使われる。助けあいの輪がどんどん広がっていく。そうやって地域や社会ができていく。こんなに素晴らしいことってあるのだろうか。消費税が二パーセント上がり、十パーセントになる。たしかにこれは各家庭の家計にとって非常に痛いことではある。しかし、全体を見てみると、二パーセント上がることによって、社会保障の充実、教育・子育ての充実が得られると同時に、北欧やヨーロッパの国々のように福祉型国家への歩を進めたと思えば納得できる人が多いと思う。まさに一段と太い輪ができあがったのではなかろうか。

今まで色々話してきたが、私が言いたいことは、税金という助けあいのシステムの重要さに気づいてほしいということだ。お互いを思いやることについて理解を示すことで、普段、皆がなんとなく見ている風景が別のものに見えてくるはずだ。そんな景色を見るために、私達は税をよく知り、納めるのだろう。

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