和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
ドクターヘリと税金
和歌山県立橋本高等学校 1年
富永 真維

ある日、テレビを見ていると「ドクターヘリ」についての特集が放送されていた。その特集の中で、「ドクターヘリが税金によって運航されている。」という言葉を耳にした。私たちが納めている税金が命を救う医療の現場にも使われていることを私は初めて知った。そこから、ドクターヘリについて詳しく調べてみることにした。

ドクターヘリは、二〇〇一年に日本に初めて正式に配置され、二〇一八年現在、全国四十二都道府県に五十二機配置されているそうだ。救急現場に医師と看護師の医療スタッフをいち早く送り込むことによって、治療開始を早めることができ、また、重体の患者さんを病院に搬送する時間を短縮することができるのもドクターヘリの利点だ。治療開始を早めることによって、重体の患者さんの命を取りとめたり、治癒までの期間を短縮することもできるようになったそうだ。実際、従来の地上救急に比べて、救命率は三割以上向上し、完全に治って社会復帰のできた人は一・五倍に達している。ドクターヘリが導入されたことによって、多くの命を救うことができるようになったのはとてもすごいことだと思う。

さらに、ドクターヘリの運航には、一機あたり年間二億円もの運営費がかかっている。この運営費は、すべて国と自治体が負担しているそうだ。国と自治体がすべて負担しているということは、国民が納める税金もその運営費に含まれているということだ。私は、このことを知り、うれしくなった。私たちが納めている税金が人の命を救うことに少しでも貢献しているのだから。ドクターヘリと税金がこんなにも密接に関わっているとは思っていなかった。

二〇一九年、消費税は一〇%に増税される。私は今まで、「どうして一〇%に引き上げるのだろう。」「税金を多く集めたことによって何が変わるのだろう。」と批判的な意見を持っていた。でも、ドクターヘリと税金の関わりを知ることができ、考えが変わった。私たちが納めた税金によって救える命もある。増税によって、救える命が増えるかもしれない。増税は、私たちの安心安全な暮らしを充実させるために必要なのだと私は思う。だからこそ、税金への理解を深め、「税金を納めよう」という考えが広まっていってほしいと思う。

そして、ドクターヘリだけでなく私たちの暮らしと税金が互いに支え合っていることを理解し、感謝の心を持って税金を納めていきたい。

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