和歌山県租税教育推進連絡協議会

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公益財団法人納税協会連合会会長賞
支える税金と支えられる税金
和歌山県立向陽高等学校 1年
髙岡 穂歌

今年の夏、凄まじい豪雨による河川の氾濫や洪水、土砂災害をもたらした西日本豪雨。私も、連日放送される被害の状況を見る度に胸が苦しくなった。「自分に何かできることは無いか」と思いつつも、「やっぱり、私がたった一人でできることなんてないな」と思っていた。

確かに、たった一人でできることなんてほんの小さなことだろう。でも何人かが集まればどうだろうか。それは大きな力になるということを一つの税金が私に伝えてくれた。それは東日本大震災の復興のための「復興特別所得税」というものだ。課税が決まって以来、日本国民の納税により公共施設、仮設住宅の建設、道路の整備など、多くの面で役立てられ、復興に貢献している。

つまり、「私ができることなんてない」という考えは間違っているのだ。たとえ遠く離れた被災地であったとしても、税金を通して支援することができる。私は、これを「支える税金」だと思う。

では、「支えられる税金」とはなんだろうか。

この春、高校入学を迎えて、母は「教科書代」と書かれた封筒を私に渡した。その中には、私のお小遣いの何倍ものお金が入っていて、どこか義務教育の終了を告げられたようだった。他にも、私の住んでいる市では、高校生になるまでの医療費が全額負担されている。小さい頃から喘息を持っていたので、病院に通うことが多かった。今、こうして元気に生活できているのも、適切な診断、治療、薬の処方のお陰である。高校生という肩書きだけでなく、今までの教科書や医療を税金が支援してくれていたことに気付けたことは、自分の成長だった。なぜなら、もしその成長がなければ、税金のことをよく知りもしないのに、「税金を払うの嫌だな」と軽々しく口に出していたかもしれないからだ。

このように、税金が担う役割が大きいにも関わらず、税金に対する批判的な意見を述べる人や、滞納している人もいるという悲しい事実がある。その中には、「自分が支援している」という考えばかりを持ってしまっている人もいるだろう。確かに、「支える税金」の側面から見るとその意見は正しい。しかし、これまで歩んで来た道をもう一度振り返ってみてはどうだろうか。きっと、税金が与えてくれた恩恵は測り知れないはずだ。このように、税金を正しく理解すると、考え方も変わるだろう。

今、こうして西日本の人々が被害に苦しんでいる時こそ、税金の「支え、支えられる力」の良さを発揮すべきだ。批判的な意見を、「一緒に頑張ろう」とか「支え合おう」という意見には変えられないのだろうか。なぜなら、私達は一人で生きている訳ではない。今まで、税金に支えられてこなかった人なんて、きっと一人もいない。

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