谷口 花
私の祖父母は、自然が豊かで、緑に包まれた山の中で暮らしています。私は小さい頃から、祖父母の家に遊びに行くのがとても大好きで毎週土曜日の楽しみになっていました。しかし、高校生になり、部活動や勉強が忙しくなったこともあり、自然と足が遠のいてしまっていました。現在、祖父母が暮らす町では、過疎化が進んでいて、周辺の民家は数軒しか残っていない状態です。
毎週月曜日、祖父は、十キロほど離れた町のリハビリステーションに通っています。足が不自由な祖父は、介護保険制度を利用しています。
「明るくお喋り好きな祖父は、私が遊びに行けなくて寂しくないだろうか。」と思い、電話をかけると、
「今日もリハビリ行ったよ。デイサービスに行ったよ。」
そう明るく知らせてくれます。祖父が生き生きとしていて毎日楽しく過ごしているように感じ、私は安心します。また、月に一度の病院への送迎も家の庭先までヘルパーさんが来て下さり、病院への付き添い、介助まで、祖父が怪我などしないように、優しく見守ってくれるそうです。
では、そんな祖父の力となっている介護保険制度とはどんなものなのでしょうか。
介護保険制度とは介護を必要とする状態になっても、安心して生活が送れるよう、社会全体で支えることを目的とした制度です。これを利用する高齢者の負担額は、その金額の一割だそうです。では、残りの九割は誰が負担するのでしょうか。そう、税金です。大人の方が納めている国の税金です。高齢者の生活の支えとなり、心強い味方となってくれている、なんて素晴らしい制度なのでしょう。
いままで、一生懸命に働き税金を納めてきてくれた祖父母の世代に続き、次の世代がその役目を引き継ぐことにより、この助け合いの社会が、成り立っていくのだなと、強く感じました。そして、私が税金を納めることは、祖父母への恩返しに繋がるのではないでしょうか。
現在、日本では少子化と高齢化が同時に進行しつつあります。祖父と同じ制度を使う高齢者はこれからも増えていくはずです。
そして、私達が、高校を卒業し、就職など社会人の一人に仲間入りした時にはより深く税金と関わることが現在よりも増えると思います。私は、先代の方が築いてくださったこの素晴らしい税金の制度を誇らしく思い、これからも熱心に勉強できる環境であることに感謝し、多くの人に恩返しをしていきたいです。

