和歌山県租税教育推進連絡協議会

ホーム税に関する作文税に関する高校生の作文一覧 > 高校生の作文表彰作品
和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
幸せな生活を創るために
和歌山県立橋本高等学校 1年
 森本 実里

朝起きて夜寝るまで私はどのくらい税金に支えられているのだろう。毎朝通る整備された道路、設備の充実した学校、集中して試験の勉強が出来る心地の良い図書館。これらは全て税金が形となって現れたものだ。私たちの生活と強く関わりのある税。それらは他にどのような事に使われているのだろうか。この作文を書くことをきっかけとして私は新たな発見をした。

まず興味を引いたのは私の住む市の歳入額の内訳だった。見てみると、約六十パーセントが税金によって賄われていることを知った。税金は、橋や公園などの公共施設、ゴミの収集などの形あるものに、更には警察や消防の活動や福祉サービスの充実などの形のないものにも使われているそうだ。実際私も税金のお陰で医療サービスが中学生の時まで無料で受けることが出来た。そのため私は必要な時に適切な処置を受けることができ、ありがたい事に風邪を引くことなく毎日の学校生活を送ってきた。改めて振り返ってみると税という大きな存在が私たちの充実した生活を作っているのだろうと思う。ところが世界を見渡して見るとそうではない。食べ物がない、安全な水が得られない、そうした発展途上国もある。そのような国へ何か出来ることはないだろうか。調べてみると、私たちが税金を納めることでそうした国への支援が出来ることを知った。国の歳入の一部が経済協力費として約五千百十億円を、貧困や飢餓で苦しむ国々にダムや病院を作ったり、病院で使う薬や注射代などに使っているのだそうだ。これらの活動をODA(政府開発援助)という。今日の日本はODAを出す立場となったが、戦後復興の際には他の国からODAを受けとる立場であった。つまり世界の人々の税金によって私たちは支えてもらったのだ。こうした恩恵を受けた今、今度は私たちが困っている人々を助けるべきだと考える。しかし私たちがODAを出したところで日本にどんな長所があるのだろうか。ODAについて更に調べてみるとある記事が目に止まった。六年前の東日本大震災のことである。日本国内だけでなく海外からも支援が集められる中、発展途上国からの支援もあったそうだ。ODAで援助してきた国から被災時に援助が行われたことはODAの恩返しのようだと私は感じた。税金は地域や国をも越えて人を支える役目を果たしているのだ。

税金は払いたくない、そう思う人も多くいるだろう。しかし、私たちの過ごすこの街がこの国が、当たり前のように感じる幸せな生活が、税金によって支えられていることを決して忘れてはいけない。もちろん、税金が世界をも支えていることもだ。この世界に生きる私達が出来ること。世界中の人が幸せな生活を送るために出来ること。それはきちんと税を納めることなのだと思う。私はこれからも税の意義を理解し、納める義務のある税をきちんと納めようと思う。

税に関する高校生の作文一覧へ戻る