和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税の存在とは
和歌山県立日高高等学校 1年
 坂下 涼

税には、長い歴史がある。税については、歴史の授業の中でもたびたび耳にしたに違いない。奈良時代では「租・庸・調」といった税が一般の人々にかけられた。また、「墾田永年私財法」が制定され、墾田に対して税の負担がかけられた。この時代では、まだお金が存在していなかったため、稲の収穫量や労役といったものが税金の代わりとなっていた。そして、もう少し時代を進めてみる。すると、明治時代ともなると、地租改正が実施され、土地の所有者は地価の税率3%を現金でおさめていた。特に、この地租は、当時において政府の歳入の大半をしめ、財政を安定するものであった。

このことからわかるように、税には歴史があるとともに、経済社会の変化にともない、税を徴収するしくみが変わってきたのだ。

では、そもそも、なぜ税が必要とされてきたのだろうか。昔から税が存在し、まして、今日まで続いてきたものであるから、重要な役割を果たしているはずである。

まず、1つの理由として挙げられるのが、税は社会の支えになることだ。俗に「人は1人では生きていけない」と言うが、これは真実であると思う。現に、もともと人間はそれぞれで生きていたが、1人ではできないことを補うことができる集団生活へと発展していったのだ。そして、その集団生活の規模はさらに大きくなり、村から1つの国へと形成していった。人が多く集まって生活をするということは、その分、多様な問題が起こることにつながる。そこで、それらの問題を解決する上で、税というものが必要になってきたのではないだろうか。例えば、奈良時代に納められていた租は、ききんに備えるために保管されていた。つまり、税は社会を安定に保つためには不可欠なものなのだ。

次に、2つ目の理由として挙げられるのが、税はひとりひとりの平等を守ることにつながる、ということだ。現代の社会では、税は私たちの生活において、大いに役立っている。例えば、税は私たちが安全な生活を送れるように、消防や警察の活動に使われている。また、税のおかげで義務教育は授業料が無料となっている。しかし、もし税が無かったら、こういったサービスは全ての人々が受けられなくなってしまうのだ。そうした面から見ても、やはり税は全ての人が平等にサービスを受けられるためにも必要なものだとわかる。

結論として、税は私たちの生活に不可欠なものだと言える。しかし、税に対して良い印象を全ての人が持っているかというと、そうではないだろう。それは、経済社会が変化して税のしくみも変化していくからである。そこでの課題は、いかに税金を効率的に無駄なく使うかだと思う。そのためにも、ひとりひとりが税についてよく知っておくことが必要だ。そうして、税は自分たちには不可欠だ、と正しく税を認識できる社会を作り上げてほしい。

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