和歌山県租税教育推進連絡協議会

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納税協会連合会会長賞
「税」を知ろう
和歌山県立田辺高等学校 1年 和田 愛梨

「税ってどんなもの?」

そう聞かれると「難しそうでよく分からない」と言うのが私の正直な答えだった。そんな私が税について知ろうと思ったきっかけは、選挙権年齢の引き下げだ。この法律が施行されたので私は二年後、すなわち高校三年生で選挙に行けることになる。私ももうすぐ社会の一員になるんだ、そう思うと税を含め社会を支える仕組みを知らなければならないと思ったのだ。

税と聞くと、あまり良いイメージがない人も多いと思う。しかし、税は身近なところで私たちを支えている必要不可欠なものである。例えば、学校に通っている私たちの教育費は、税金から支払われている。公立学校の児童・生徒一人あたりの年間教育費の負担額は、小学生で約八五万円、中学生・高校生で約百万円である。もしこれだけの大金を自分で払うとなれば、私たちの生活はたちまち苦しくなってしまうだろう。私たちの日常生活は、税によって成り立っているのだ。

二〇一一年九月、台風十二号が私の地元和歌山を襲った。各地で土砂崩れが起き、道が塞がれ、家が倒壊したり流されたりしたが、今はそんなことも感じさせないほど元通りになっている。それは、災害復旧等事業費という税金の一種のおかげで工事など復旧作業を進めることが出来たからだ。税金は、いざという時のためのお金としても利用されているということである。

しかし、そんな税にも問題がある。それは、少子高齢化が進み、社会保障費が増大しているにもかかわらず、国の借金がどんどん増えているということである。私はこの深刻な状態を少しでも改善するために、どの事業にどのくらい税金を割り当てるべきかということをもう一度考え直すべきだと思う。このままでは、今後日本を担う若い労働者の負担が大きくなってしまったり、年金がもらえなくなってしまったりするおそれがあるからだ。

このように、税は私たちの日常生活で、なくてはならないものである。その一方でこれからの私たちの社会生活に負担を与えてしまう恐れもある。だから、私たち若い世代の人たちは、税が私たちの生活の中でどんな役割を持っているのか理解するとともに、税が抱える問題を把握して向き合っていく必要がある。

よりよい社会を築くために今私たちが出来ること。それは、税について正しい知識と理解を持つことではないだろうか。

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