和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税と深く結びついた社会
学校法人 りら創造芸術学園 りら創造芸術高等専修学校 3年 尾上 蒼

私たちが所得税や消費税により納めた税金は、国や地方公共団体が行う活動のために使われる財源となります。警察、消防、ゴミ収集、福祉などの公共サービスや学校、公園、道路などの公共施設を提供するための費用として、税金の一部は国民が健康で豊かな生活を送れるよう生かされ、私たちの暮らしと深く結びついています。

以前、私は持病のため定期的に通院し診察を受け、長期間に渡り副作用の強い薬を服用していたときがありました。そんな通院時に診察を終えて薬に掛かったはずの代金を支払わず、診察料だけを払い病院を後にしていたことを当時は気付かずしばらくして親から聞き知ることができました。

それまで私は「健康で豊かな生活」といっても私は今暮らしているこの何一つ不自由のない環境を当たり前の生活だと認識していました。先ほど税金と私たちの暮らしは深く結びついていると言いましたが、私たちの暮らしに税金が役立てられていることを実感できる機会はあまり多くはありません。そして暮らしの中でいろいろなものに掛かる税金に違和感を覚えたことも私にはとくにありませんでした。

しかし、そのとき私の治療のための薬の費用は、国が難病としている人たちに税金でまかなわれることが適応されているから、支払わなくてもいいのだと。もし、薬の費用も自分たちで負担することになっていたら生活は厳しくなるのかもしれないとも言っていた父の言葉を通じてはじめて税金の使われ方について身をもって知り、そして私の暮らしの中での税金の存在意義を感じる貴重な体験をしました。

誰かの納めた税金のおかげで私の病気を治すために処方される薬を手にすることが出来ている。そして私もどこかで誰かのことを支えている。そんな体験をして前より少し税金を身近に感じることが多くなり、持病の治療が金銭面で今までの生活に支障をきたすことなく出来ることを当たり前だとは認識しなくなったように思います。

税金と私たちの暮らしが深く結びついているからおこったこととも言えますが、世間は私たちの納めた税金が不正に使用されたニュースや消費税○○パーセント増税の情報などに関心は高く意識が向けられていて、自分たちの暮らしを守っている税金の役割には注目せず無知なように以前の自分自身の体験をふまえ感じるときがあります。

まず税金についてよく知るように努め、普段の暮らしが当り前であるのではなく支え合って叶う幸せだということを意識し積極的な納税をして、税金の在り方を考えることが大切です。

税金と私たちの暮らしだけでなく、税金によって人と人とが支え合い深く結びついた社会になればよいと思います。

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