和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
災害の復興と税
紀の川市立貴志川中学校 3年
 髙岡 穂歌

二〇一一年三月十一日、東北地方を大きな揺れと津波で襲った東日本大震災。一瞬にして町は、まるで違う場所かのように変わり果ててしまった。当時の私は、その様子をテレビで見ていた。押し寄せる津波は、次々と町のあらゆる建物を飲み込み、避難した人からは驚きと恐怖で声をあげて涙を流している姿は、今でも忘れられない。ここにいる人達はどうなってしまうのだろうか、これからの暮らしはどうするのだろうかと、私は、小学校低学年ながらに感じていた。

連日、テレビでは、東北地方の様子が伝えられるのと同時に、募金を呼びかけるCMが放送されていた。少しでも早い復興のために必要なものは、お金だった。しかし、大きく町を襲った損害は、そう簡単に立て直すことはできなかった。

道路が崩れ、生活するのに必要な公共施設も流されてしまい、がれきにあふれてしまったその地を支えたものは、いくつもあった。その中の一つは、税金だ。税金と聞くと、社会保障や公共サービスに使用されているイメージが強かった。税金についてあまり詳しくない私が知っていたのは、所得税や消費税などのほんの三、四種類だった。その東日本大震災を支えた税金の種類とは、震災発生後に課税が決まった復興特別所得税というものだった。

初めて知ったその税金について、興味を持ち、調べてみた。なんと、納めているのは、所得税を納めている全ての人だったのだ。復興特別所得税は、所得税と併せて納めることが義務づけられている。そして、その義務は平成四十九年まで課税される予定なのだ。課税が決まってから今までの間、その税金のおかげで、仮設住宅が建ち、道路が整備され始め、多くの場所でがれきが撤去された。また、その後の生活のために、市役所や警察署、学校などの公共施設も建築された。こうして、私達の住んでいる場所から遠く離れた東北地方に、税金によって支援していたのだ。

税金には、色々な種類がある。私達が今、こうして学校で授業を受けるための教科書が無料で配布されていることや、病院で無料で治療を受けることができるのも税金があるからだ。しかし、それだけでは無かった。災害の復興のための税金もあるのだ。同じように日本に産まれた私達を支え合うというのが、税金の意味であると思う。私は、税金を納めることへの大切さはもちろん、税金についてもっと知らなければいけない。なぜなら、私がまだ知らないだけで、たくさんの人に、もっとたくさんのことで支えられているのかもしれないからだ。

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