和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税金で生きる子供たち
田辺市立衣笠中学校 3年 由谷 胡桃

「いやや、お母さんと一緒におりたい。」と私は泣きながら、お母さんと離れ離れになりました。私が今、生活している場所は、児童養護施設という所です。そこは、保護者のない児童、虐待されている児童など環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設です。私はそこで4才から生活しています。

私達、児童養護施設で暮らしている子供たちは税金で生きています。私達は税金のおかげで生きていると言っても過言ではありません。私達が食べる食べ物、着用する服、寝る布団すべて税金でまかなわれています。

私達は世間から、“かわいそうな子達”、“税金の割当てを増やすべき”などと言われています。そして逆の意見では、“最低限の生活をすべき”、“税金を使っているくせに感謝せず、自分は悲劇のかわいそうな子だと思っている”などとも思われています。でも実際はどうなんでしょうか。

私は自分がかわいそうな子と思ったことはありません。先ほどのように私達は衣・食・住すべてがそろっています。そして、感謝していないみたいなことを言われていますが私は毎日の生活に感謝しています。毎日不自由なく生活できているのは税金のおかげです。

私達が風邪をひいた時、もらえる薬は無料です。無料といってもこれは税金です。私たちが生きていくために必要な物はすべて、税金でまかなわれています。月にもらえるおこづかいもそうです。税金です。一ヵ月では充分なお金です。ここでもまた、世間からの意見があります。おこづかいを増やして、買い物などをさせてあげたらいい。反対意見ではおこづかいを禁止したらいい。などがあります。私は月に三千円もらっていますが、将来のために貯金する人がほとんどです。私達児童養護施設にいる人は、現状を理解し、月にもらえるお金を計画的に使います。そして、高校生になれば、働くため、将来一人ぐらしをし、生きていくためにバイトを始めます。自分が汗を流し、つかんだお金は重く、お金の重要さが分かります。私達、中高生になればお金の重要さはとても分かります。なので私達が生活していけるお金、税金にはとても感謝しています。私達が大人になったとき、税金を払う側になったとき、改めて税金の大切さが分かることでしょう。

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