和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税金の大切さ
御坊市日高川町組合立大成中学校 3年 岡田 紗季

私は、税金について深く考えたことがなかった。しかしあることがきっかけで、税金の大切さを感じるようになった。

昨年の五月、突然、私の祖父の右足鼠径部に腫瘍ができた。病院へ行くと、精密検査を受ける必要があると診断された。それから、血液検査から始まり、MRI検査、内視鏡などの検査を毎日のように受けることになった。そして、外科で腫瘍を切除し、病理検査に出した結果から、「悪性リンパ腫」という病名を告げられた。私は、悪性リンパ腫という病名は聞いたことはあったが、リンパは血液の癌で、転移する可能性が高いと知らされ、聞いた時は治るかどうか不安で、ただただ祖父は大丈夫、絶対治ると願っていた。通院をしている中、十一月に突然、下腹部に新たな腫瘍ができ、祖父は、抗がん剤治療をすることになった。抗がん剤治療をするにあたり、祖父の年齢では後期高齢者なので、医療費の負担額は少なかったが、抗がん剤治療は高額になるため、役所で高額医療の制度の認定をしてもらった。ある一定の医療費負担額を超えると、負担しなくてよいという制度だ。この高額医療制度を使い治療し、祖父の病気は無事に治り、前と同じ生活ができるようになった。

祖父の病気が治り、毎日元気に過ごせているのは、この制度があり、税金があったおかげだ。我が国では、一年間で三十兆円余りの医療費が使われており、国の負担が二十五%、国民の負担が四十五%となっている。一年間三十兆円は多いと思う人もいるはずだ。しかし、本当は少ない。私は、もう少し国が負担しても良いのではないかと思う。なぜなら、このことは他人ごとではなく、私たちの身近なところで起こる話だからだ。いつ、医療費や制度を使わなければならない病気になるのか、わからないのだ。もしかしたら、私が病気になる可能性もあるし、私の家族が病気になる可能性だってある。

だから私は、税金は「払う」ものだという考えを、税金は払うのではなく「納める」ものだということを知ってほしい。正直、私も、前までは消費税を払わされているという考え方をしていたが、税金は私たちの暮らしを豊かにして、役目を果たしているんだと知り、税金は納めているんだと考えるようになった。そして、今はまだ消費税だけしか納めていないが、将来税金を納める立場になったら、納税を怠ることのないようにしたいと強く思った。税金はどんな時に使われ、どんな役目を果たしているのか改めて考え、きちんと税金を納めて欲しいと思う。私たちが普段何気なく納めていた、消費税。それは、私たちの日々を支えてくれる大切なもので、なくてはならないものだと思った。

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