和歌山県租税教育推進連絡協議会

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国税庁長官賞
税と支え合い
和歌山県立向陽中学校 3年 髙橋 悠泉

「パリの空港から一人の乗客が飛び立つたびに、三人の子供をマラリアから守ることができる。」

私は税についてのことをあまり知らなかったため、税について色々なことを調べ始めた。すると、この言葉が出てきたのだ。この言葉は私に大きな衝撃を与えた。「どうしてそのようなことができるのだろうか」「空港とマラリアにかかってしまった子供とは何も接点がないのではないだろうか」そのような疑問が私の頭の中を駆け巡った。

不思議に思いながらも、その記事を読み進めていると、マラリアの子供を救える理由は一ユーロの航空券税にあることがわかってきた。一ユーロを航空券に加えるという取組は、ユニットエイドという機関によって行われている。この一ユーロの航空券税によって、ユニットエイドはわずか八年間に二十五億ドルを超える資金を集めたそうだ。集められた多額の資金はマラリアやエイズ、結核の治療や診断に役立てている。具体的に治療されている人は、エイズに感染している子供たちで十人中八人。さらに、三億五一〇〇万のマラリア治療が確保されている。

このように画期的な取組が行われていることを私は知らなかった。たった一ユーロの税金がどれだけたくさんの命を救ったのか計り知れない。税の力の大きさを改めて知った。少しのお金をこつこつと集め、病気の人たちを救うという仕組みは募金活動に似ていると感じた。こう考えると一ユーロ航空券税は人と人とがお互いを支え合うための大切な募金であると解釈できる。

私たち中学生でも身近に感じることができる税として消費税がある。その消費税が近年八パーセントに引き上げられ、さらに一〇パーセントに引き上げられるかもしれないという話を耳にした。何か物を買うにしても必ず消費税は付いてくる。ものを買うときにしばしば税の大きさを思い知る。他にも、仕事の給料から引かれる所得税、家や土地にかかる固定資産税など様々な税があることを母に聞いて知った。

引かれていく税は決して少ないものではない。だから、無駄なく有意義に使って欲しい。一ユーロ航空券税のような本当に役に立ったと思える使い方をして欲しい。日本でも福島の仮設住宅で不便な生活をしている人達がいる。また、障害のある方たちのための設備はまだまだ足りない部分がたくさんあるだろう。そういうところに税が役立てられれば良いと思う。きちんとした税の使い方をすれば、納める時も、みんなが支え合える明るい社会への募金だと思い、快く納税できる。だから、私はみんなが支え合える社会になることを願って税を納めます。

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