和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
税金に対するイメージ
和歌山県立和歌山商業高等学校 3年
 加藤 優有

「税金」と聞いて、良いイメージを持たない人も多いのではないだろうか。私も以前までは、あまり良いイメージを持っていなかった。税金が何に使われているのか、何に役立っているのかという事に対する理解が浅く、必ず支払わなければならないものであるという認識だけを強く持っていたからだ。しかし、私の中の税金のイメージを覆す出来事が起こった。祖母の入院である。

私の祖母は、家で転んだ際に足を骨折してしまい、入院・手術を余儀なくされてしまった。入院・手術といえば、かなりの医療費がかかるというイメージがある。私の家は裕福な訳ではないため少し不安になり、母に医療費の事について尋ねたところ、後期高齢者医療制度について話してくれた。

後期高齢者医療制度とは、医療機関窓口支払い分の医療費を後期高齢者の患者の負担分とし、残りの医療費を後期高齢者の保険料から約一割、被保険者による後期高齢者支援金から約四割、国や県、市町村の公費から約五割という負担割合により賄うことである。母の話で後期高齢者医療制度について理解することはできたが、患者負担分以外の約半分を負担しているにも関わらず、あまり聞き覚えのない公費という言葉が心に残っていた。私は疑問を持ち、公費について詳しく調べてみると、公費の財源が、今まで良いイメージを持っていなかったあの「税金」であるという事を知った。公費が給付されなければ、祖母の自己負担分はもっと多額になっていただろう。支払わなければならないものであるという認識だけが強かった税金は、私達のために使われていた。公費という形で、祖母や私達家族を助けてくれていたのだ。今まで漠然としか知らなかった税金の使い道を始めて明確に知ったと同時に、税金に対するイメージが大きく変わった瞬間であった。

祖母の入院というきっかけがなければ、私の中の税金のイメージはずっと良くないままだっただろう。私達は税金についてもっと関心を持つべきである。支払っている税金の使い道への理解が浅いため、徴収されているという感覚に陥ってしまう。私達が社会を支える大人になった時、明確な使い道を知らずに徴収されているという感覚のまま税金を納めるのと、未来に投資するという考え方で税金を納めるのとでは、きっと未来のあり方も変わってくる。税金が私達の生活を支えていることに理解を深め、意識を変えていくべきである。

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