和歌山県租税教育推進連絡協議会

ホーム税に関する作文税に関する高校生の作文一覧 > 高校生の作文表彰作品
大阪国税局長賞
税金のあり方
和歌山県立海南高等学校 1年 井口 愛香梨

「なぜ家庭から出る一般ゴミは税金でまかなわれて収集されるのに、粗大ゴミの収集は有料なのだろうか。」ゴミ出しをしている時に、このような疑問がふと私の頭によぎった。税金は、公共施設や公共サービスの為に使われており、私達の暮らしを支える重要な役割であるということは分かっていた。しかし、どうやって税金でまかなわれる範囲と負担しなければならない範囲を決めているのか。これらの違いは一体何なのだろうか。私はこの事がとても知りたくなった。これらの疑問が、私が税金のあり方について考えるきっかけとなった。

調べる前に、私は自分なりの予想を立てた。家庭から出る一般ゴミは、私達人間が生活を送る上で毎日必ず出るものである。従って、一般ゴミの収集が有料になれば、国民にとってかなりの負担となるだろう。そうなれば、ゴミを燃やして処理をする人や、ゴミを海や川、山などに捨てる人が現れるかもしれない。このような行為は環境破壊を起こす原因となってしまう。これに対して粗大ゴミは、毎日必ず出るものではないため、国民にかかる負担はそれほど大きくはないだろう。また、粗大ゴミの処理には一般ゴミよりも費用がかかりそうである。国中すべての粗大ゴミの処理を税金でまかなうことは難しいのではないか。これらが私の考えた予想である。

予想を立てた上で、私はインターネットを用いて「一般ゴミが税でまかなわれ、粗大ゴミは有料である訳」について調べた。調べた結果、粗大ゴミの収集を国民に負担させることには「目的」があるということが分かった。それは、私が予想した「費用」の関係の話ではなかった。「資源循環型社会の構築」のためである。粗大ゴミの有料化は物を大切にする意識を高め、ごみの減量化につながるという訳だ。私は思わず「なるほど。」とつぶやいた。また、一般ゴミの有料化についても議論が繰り返されているそうだ。

税金は私達の暮らしを支える柱のような、なくてはならない存在である。しかし、私は今回調べたことを通じて、税金でまかなうべきところと国民が負担すべきところを考えていく必要があると強く思った。税金に依存して生きていくのではなく、税金と共に生きていくという考え方が大切だと私は思う。その為には、今回の私のように税金について疑問を持つことはとても良いことだと思う。その疑問に対して、自分で考え、自ら調べ、税金についての知識を高めることが重要ではないだろうか。国民の一人一人が税金に対して関心を深めれば、税金のあり方はより良い方向に変わり続けていくと私は思う。

税に関する高校生の作文一覧へ戻る