和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
支え合う社会
和歌山県立橋本高等学校 1年 西村 加奈

今年の春休み、私は、四月から始まる高校生活のことを想像し、胸を弾ませながら中学校の教科書を片付けていた。一冊一冊の教科書を見ながら、中学校で学んだことを思い返していた。着々と片付けを進めていると、ふと、教科書の裏面に書いてあった言葉が目に飛び込んできた。そこには「この教科書は、これからの日本を担う皆さまへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」と書かれていた。今まで何も思わず、あたり前に使ってきた教科書。税金で作られていることは知っていたけれど、このような言葉がそえられていたことに、その時初めて気がついた。私たちに期待を込めて作られたという嬉しさと、無償で支給されているということへの感謝の気持ちが込み上げてきた。私は、この教科書を使って、たくさんの知識を得ることができた。貴重な税金で作られた教科書を使わせてもらっていることに感謝し、税金についてもっと知りたいと思い、調べてみることにした。

税金は、私たち国民が、所得税・消費税・住民税など、色々な形で支払っている。支払った税金は色々な物やサービスとして、私たちの元へかえってくる。その中の一つとして、教科書という形で小・中学生の元へ届けられているのだ。私はこのしくみを中学校の授業で知った。国民には「納税の義務」「勤労の義務」「教育を受けさせる義務」という三つの義務がある。納税の義務があるから、教育を受けることができ、多くの人が働くことができる。三つの義務はお互いに関係しているのだと思った。私は、納税を義務とすることの大切さを改めて感じた。税金がなければ、学校や道路を作ることができず、税金がなければ、警察官や消防士はお給料をもらえず、パトカーや消防車を動かすことができない。もし税金を払う人がいなかったら、この国は成り立たないだろう。

税金によって、人々が暮らしやすい社会になっている。道路はもちろん、公共施設、標識など、あらゆるところで税金は使われている。また、東日本大震災の復興のための「復興特別税」というものが二〇十三年に導入され、その税金が東北地方の再建に役立てられているそうだ。その時々に必要なところで必要な分だけの税金を使うことが重要なのだと思った。

多くの人が税金を負担に思っていると、私は思う。私も実際、消費税が五%から八%に引き上げられたことを、あまり良く思わなかった。しかし、私が支払った税金が色んなところで大切に使われていることを知り、考えが大きく変わった。国民一人一人が支え合って、みんなが住みやすい社会を築き上げているのだ。私が支払った税金も、社会のどこかで役立っているのだと思うと嬉しく思う。これからもっと税金に対して関心を持ち、知識をつけ、しっかり考えていこうと思った。

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