和歌山県租税教育推進連絡協議会

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大阪国税局長賞
税金という言葉
和歌山県立向陽高等学校 1年 池田 亜耶香

私達が税金という言葉に対して持っているイメージは、あまり良くありません。例えばテレビ等でよく耳にする「増税」「無駄使い」「生活が苦しい」というキーワードでどうしてもマイナスのイメージが出来あがる事が原因の一つでしょう。しかし、根本的な理由は、税についての知識が足りないということではないかと私は考えます。私や、友人の間では、身近な税金と言われると、消費税ぐらいしか思いあたりません。耳にする税金にしても、相続税、固定資産税という所でしょう。私達の年代では、税金という言葉には、それぐらいの接点しかありません。ところが、今回の作文を書くにあたり、国税庁のホームページ等で簡単に調べただけで、私達の年代でも税金の恩恵はしっかりと受けている事が理解できるのです。驚くほど簡単にです。

まず、私達が日常的に通行している道路、生活する事によって生み出されるゴミの処理、衛生的に管理されている排水、地域の治安を守る警察や消防、図書館へ行って無料で本が借りられる等の、今まで当然のように過ごして来た全てに税金が使われています。また、これから私達が成長していくに従って、更に恩恵を受けていく事になります。諸外国と比較して、私達は日本が豊かな国であるという事は薄々感じています。水道の蛇口をひねれば自宅に居ながらにしてきれいな水が飲めるし、小学校から受ける教育も無料で、全ての国民が受ける事が出来るという事も理解しています。しかし、それだけではなく、日本という国では、生活保護や介護、医療へ社会保障関係費という税金による給付が為される事により、全ての国民が飢える事なく、屋根のある所で眠り、病気になれば病院で治療を受ける事ができます。これらの事から、日本は諸外国から豊かな国と言われるのだと思います。私達が人として生きる為に当然と思っている事が実はかなり恵まれているという事に気付いた時、税金は、無駄使いされている訳でもなく、税金を納める事が苦しいという事は、恩恵を受ける事が当たり前すぎて、これらを受ける事のありがたみを忘れてしまっているのかもしれません。理解すれば、これほど費用対効果のある投資は他にないと考え方が変わるでしょう。もちろん、小さな点を追及すると生活保護等の問題の様に、様々な弊害はありますが、これらがクローズアップされる事で、肝心の税金の本当の良さを理解できずに悪いイメージが先行しているのは残念です。

私は税金の制度は、自分達の生活を向上させる、実は大変ありがたい制度であると、もっと教育の中に取り入れるべきだと思います。この事を理解して大人になれば、納税という方法によって社会に貢献していくという責務が実感でき、なおかつ、自分もその恩恵を受けていくという考え方をすれば、税金という言葉のイメージも変わり、生活も心も豊かな社会になると思います。

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